SaaS界のカスタマーサクセスが伝統的な大企業を侵略する時(とき)

伝統的大企業が、テック企業の秘密兵器「カスタマーサクセス」を手に入れ生まれ変わる、という話です。

 

米国ではGEのような重厚長大企業がシリコンバレーのテック企業に学び自己改革を進めています。社内の生え抜きをトップに据えることが長年不文律だったGEも、2011年、オラクル副社長だったビル・ル(William Ruh)を引き抜き、GEデジタルの長に据えました。

 

米国だけの話ではありません。

 

パナソニックも2017年、39歳の馬場氏をSAPから引き抜き、米国法人副社長&ビジネスイノベーション本部副本部長に据えました。

 

大企業がデジタル時代に生き残るには、このシナリオが唯一の選択肢だと個人的には思っています。

 

言い変えれば、SaaSないしテック企業で百戦錬磨の経験を重ねているカスタマーサクセスリーダーの方々には、希望すればですが(笑)、社員数万人の大企業で大きな仕事を任される日が突然訪れる可能性があるのです。要は、挑戦機会の可能性は無限大

 

まずは米国で現実に起きている話(記事)をご覧ください!Gainsight社CEOニックによる記事です。

 

注:Gainsight社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


 

ノン-テック企業にカスタマーサクセスが浸透する6パターン

 

皆さん、恐らくこの話を一度は聞いたことがあるでしょう:
カスタマーサクセスマネジャーと、IoTエンジニアと、経営コンサルタントの3人が一緒にバーへ行きました…

 

聞いたことない? 大丈夫、では続けますよ!

 

この三人組は、「ソフトウェアが世界を食らう(訳者注:マーク・アンドリーセンによる”Software Eating the World”という有名なコラム)」での予測が劇的に現実トレンドになるにつれ、ノン-テック事業の世界においても歴史に残るほど頻繁に見かけるようになりました。

 

恐らく、やがてカスタマーサクセスに関するジョークが、科学の世界で有名なジョークと同じくらい普遍的になるでしょう! 何といっても、伝統的なテック業界以外の、ノン-テック企業の世界でも、とっくにカスタマーサクセスな行動がトレンドとして観察されていますから!

 

以下、私が現実によく見かける6パターンをご紹介します:

 

1. 誰からも愛されるブランドをもつ企業がSaaS企業を買収しカスタマーサクセスチームを自動的に獲得する

 

Monsanto社がClimate Corporation社を買収、Caterpillar社がYard Club社を買収、Walmart社がJet.com社を買収、、、などなど、数十年の歴史をも大企業が今まさに自己改革してクラウドの世界へ参入しようとしています。彼らの多くは「イノベーターのジレンマ」を読み、「イノベーションのDNA」を見つけるには社外へ目を向けるしかないことに気付きました。

 

こういった大企業が、購入したギフトボックス(つまりスタートアップ)を開封すると、馴染みのある営業、マーケティング、エンジニアリングといった役割に加え、馴染みのない全く新しい「カスタマーサクセス」という役割を担う業務に精通した人材と出会います。

 

SaaS企業を買収した大企業は、馴染みのないカスタマーサクセスを大抵、メンテナンス、サポート、サービスといった既存組織にハメこもうとします。しかし痛い経験を経て最終的に、カスタマーサクセスはSaaS事業を運営する上で不可欠な、それ自体がユニークな独自世界であることを痛感することになります。

 

2. 買収元ブランドのカスタマー体験担当チームが買収先のカスタマーサクセスチームと出会う

 

買収で統合されたカスタマーサクセスチームは通常、「母船/ マザーシップ(訳者注:買収元である大企業のブランドを冠した全グループ組織、ないしその拠り所となるブランドそのもの)」内の他チームとネットワーキングしていき、最終的にカスタマー体験チームに到達します。

 

表面的に、同チームのミッションはカスタマーサクセスのそれと非常に似ています。しかし大抵の場合、大企業のカスタマー体験チームには、オペレーションを運営する能力や事業全体の変革を断行する権限などの基本的な「歯」が欠けていることに気付きます。

 

3. カスタマーサクセスが既存事業へいい感じに適合する

 

同時に、親会社グループ内のメンテナンス、サポート、サービスといった機能部門や、いわゆる”消耗品”を販売する事業がある場合の同事業部門の人たちは、「カスタマーサクセス」の仕事を知りワクワクして耳を傾けます。なぜなら、それこそ彼らが長年追求してきた格言(マントラ)だからです。

 

コアシステム/デバイスを販売する事業は基本的にカスタマー囲い込み型のビジネスモデルであり、故にカスタマーライフサイクルマネジメントの考え方が必須なのです。

 

4. カスタマーサクセスが営業改革と結びつく

 

営業部門のリーダーは当初、自分たちが獲得したカスタマーに対して新参の別チームが直接やり取りすることを嫌がります。しかし、飲み込みの早い営業部門リーダーは、カスタマーサクセスのモデルを知ると、売上効率が大幅に上がるということに直感的に気づきます。

 

既存カスタマーとのやり取り、契約更新、小額なエクスパンションなどの責任を、それを専門とするスケーラブルで高度にプロセス指向な組織へと移管することで、より高コストの営業チームは本来の「狩猟(訳者注:新規カスタマーの獲得)」にもっともっと集中できるようになるのです。

 

5. 買収されたSaaS事業が大企業のデジタルトランスフォーメーションの道しるべ(ゲートウェイ)になる

 

買収されたSaaS組織のリーダーが、買収元の大企業全体のデジタルトランスフォーメーション責任者、ないしはチーフ・デジタル・オフィサーに就任するケースがあります。

 

彼らは大企業の業務全体を近代化し、SaaSとクラウドの世界の “仕事の仕方” を大組織へ注入することを任されます。

 

6. 一連のシナリオを通して大企業がAmazon化を果たす

 

Amazonのような企業は、多くの伝統的な大企業にとって、長年にわたり業界を破壊する脅威の存在です。-または「インスピレーション」を与える存在です。

 

Amazonのテクノロジーの使い方、即ち彼らの表現を使えば「カスタマーにとってなくてはならない存在になる(Customer Obsession)」ためにテクノロジーをどう活用するかは、あらゆる業界でAmazon的な存在(願わくば、時価評価額も同規模の!)になるための成功ロードマップなのです。

 

(原文)

 

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